(Severance Payment and Long Service Payment)
解雇補償金および長期服務金の受給資格(Eligibility for Severance Payment and Long Service Payment)
下表の条件に合致する場合、従業員は解雇補償金または長期服務金を受給する権利があります。
* 解雇補償金の場合は、解雇日または定められた雇用期間の満了日の7日以上前に、または長期服務金の場合は定められた雇用期間の満了日の7日以上前に、雇用主が書面により雇用契約の更新、または新しい雇用契約による再雇用を申し込んだにもかかわらず、従業員が非合理な理由で、申し出を拒否した場合、従業員は解雇補償金と長期服務金の受給権利を失います。
注意:従業員は長期服務金および解雇補償金の両方を受給することはありません。
余剰人員整理の意味(Meaning of Redundancy)
以下の事実によって解雇された場合、従業員は余剰人員整理(redundancy)を理由に解雇されたものとみなされます。
雇用主が事業を停止するか、または停止しようとしている場合
従業員が雇用された場所における事業を、雇用主が停止したか、あるいは停止しようとしている場合
従業員が従事する特定の業務に対する要求、または従業員が雇用された場所において、従業員が従事する特定の業務に対する需要が消失または減少した場合、あるいは消失または減少すると予想された場合
一時解雇の意味(Meaning of Lay-off)
雇用者が提供した業務に応じて報酬を支払うというような条件のもとで、従業員が雇用されている場合、雇用主から仕事が提供されない日数または賃金が支払われない日数の合計日数が、以下の基準日を超えたならば、従業員は一時解雇(Lay-off)されたものと見なされます。
連続4週間における通常勤務日の半分
連続26週間における通常勤務日の3分の1
ロックアウト(Lock-out)、休息日、年次有給休暇および法定休日は、上記の通常勤務日に数えません。
( 注釈:ロックアウトとは、従業員の労働争議に対抗することなどを目的として、会社が職場を閉鎖することです。)
解雇補償金または長期服務金(Amount of Severance Payment/ Long Service Payment)
解雇補償金および長期服務金の計算にあたっては、次の計算式を用います。
勤務期間が1年に満たない場合、按分計算しなければいけません。
*従業員は、この金額の計算のために直近の12箇月の月額平均賃金を選択することができます。
# 当該金額はHK$22,500の3分の2を超えないものとします。
計算可能な勤務年数(Reckonable Years of Service)
1990年6月8日の直前12箇月間において月間平均賃金がHK$15,000を超えない、全ての肉体労働者および非肉体労働者については、2004年10月1日以降に雇用契約の解除日がある場合、勤務年数を全て計算します。
1990年6月8日の直前12箇月間において月間平均賃金がHK$15,000を超える、非肉体労働者については、勤務年数は1980年まで計算できるものとします。
最高限度額(Maximum Amount)
雇用契約の解除日が2003年10月1日以降の場合、解雇補償金または長期服務金の最高額は、HK$390,000となります。
解雇補償金の支払い(Payment of Severance Payment)
従業員が解雇補償金を請求しようとする場合、解雇日または一時解雇された日から3箇月以内に雇用主へ、書面による通知を提出しなければいけません。書面による通知の提出期限は、労工処長が認めた場合、延長されることがあります。
雇用主は、従業員から書面による通知を受け取ってから、解雇補償金の支払まで2箇月を超えてはならない。
違反と罰則(Offences and Penalties)
雇用主が故意または正当な理由なく、解雇補償金の支払いを怠った雇用主は、起訴され、有罪となった場合は最高で罰金HK$5万が課せられます。
長期服務金の支払(Payment of Long Service Payment)
長期服務金は、雇用契約の解除日から7日以内に従業員へ支払わなければならない。
違反と罰則(Offences and Penalties)
正当な理由なく、長期服務金を支払わなかった雇用主は、起訴され、有罪となった場合は最高で罰金HK$35万が課せられます。
MPF制度基金、ORSO制度基金および退職慰労金に対する、解雇補償金/長期服務金の関係(Offsetting of Severance Payment/ Long Service Payment against
Mandatory Provident Fund Scheme benefit, Occupational Retirement
Scheme benefit or Gratuity based on length of service)
従業員に解雇補償金または長期服務金を受け取る権利が発生し、かつ以下の場合、解雇補償金または長期服務金の計算に用いた勤続年数の範囲内において、以下のMPFまたはORSOの給付額と、解雇補償金または長期服務金が相殺されます。
勤務期間にもとづく退職慰労金、またはORSO制度基金(従業員が積み立てた部分を除く)が従業員に支払われる場合、または
従業員のMPFファンドスキームに積立給付(従業員が積み立てた部分を除く)がある場合、または積立給付が従業員に支払われた場合
(従業員退職金制度またはMPFファンドスキームと、解雇補償金または長期服務金との相殺について、ご質問がある場合、信託会社に詳細を問い合わせてください。)
健康上の理由による長期服務金の支払い請求
健康上の理由により長期服務金を請求した従業員は、従業員が現在の業務に従事できない旨を、労工処長が指定した様式で、登録医または登録中医が発行する証明書を、雇用主に提出しなければいけません。
提出された証明書が登録医または登録中医のどちらが作成したかに係わらず、業員の業務遂行が永久に不適合かどうかのセカンドオピニオンを得る目的で、雇用主が証明書を受け取ってから14日以内に、雇用主自身の費用によって、従雇用主が指定した登録医または登録中医が実施する医療検査を受診するように、従業員に対して命令することができます。雇用主は従業員に対し医療検査が実施される48時間以上前に書面にて通知する必要があります。
従業員が死亡した場合の長期服務金の請求(Claiming Long Service Payment in the event of the Death of an Employee)
長期服務金を請求する場合の優先順位
1番目 死亡した従業員の配偶者
2番目 死亡した従業員の子供(もし2人以上が請求を行った場合、長期服務金は請求者の間で均等に分割されます)
3番目 死亡した従業員の親(もし2人以上が請求を行った場合、長期服務金は請求者の間で均等に分割されます)
4番目 死亡した従業員の個人代理人
申請手順(Application Procedures)
長期服務金を請求しようとする者は、従業員が死亡してから30日以内に、所定の申請書を、雇用主に提出する必要があります。ただし、この30日以内の期日は、労工処長が延長する場合があります。この所定の申請書は、労工処のどこの事務所でも入手することができます。
雇用主は、下表のとおり長期服務金を支払わなければいけません。
違反と罰則(Offences and Penalties)
雇用主が正当な理由なく、長期服務金を支払わなかった雇用主は、起訴され、有罪となった場合は最高で罰金HK$5万が課せられます。